中学生がリストカットする心理がわからない方へ

自傷行為を繰り返す子どもの気持ちとは?

リストカットの心理のページの内容

 

ここでは、

リストカットをする子供の心理について
解説します。

 

リストカット(自傷行為)は、
一つ間違うと自殺につながるので、
命を落とす危険があるものです。

 

ではどうして子どもたちは、
自傷行為をしてしまうのでしょうか?
そこには明確な理由があります。

 

親としてそこをきちんと理解して
適切な対応をしていくことができれば、
少しずつ改善に向かってきます。
具体的なステップを解説します。


【お子さんが不登校の場合はこちらも参考に】

 

もしお子さんが今リストカットを伴う不登校状態であれば、
リストカットと並行して不登校の対応も進めていくと良いです。
こちらについては以下のページに詳しくまとめてあるので、
一度参考にしていただけるとよいと思います。

 

子どもが不登校になる本当の原因

自傷行為をする中学生や高校生の心理状態

リストカットのイラスト

リストカットというと、

すごく危険なイメージだと思います。
親としてはどうしてそんな危険なことを
してしまうのか理解難しいと思います。

 

 

では中学生や高校生の子どもは、
なぜ自分の体を傷つけてしまうのでしょうか。
実はリストカットする子には、
主に2つの心理があります。

 

 

①一人でリストカットをする子の心理

神経医療研究センターの松本俊彦先生の
調査によると、リストカットをする子の6割は、
不快感情を和らげるために行っています。

 

 

不快感情とは、激しい怒りや恐怖心、
不安な気持ち、絶望感などです。
そういった気持ちを和らげたいと思ったときに、
リストカットをすると生きている心地がするのです。

 

 

この理由でリストカットをする子は、
誰にも見えないところでリストカットをする
という傾向があります。

②他者アピール目的でのリストカット

自分の辛さを人にわかってもらいたい、
先生やお父さんお母さんにに気づいてほしい、
そういった心理で行うリストカットです。

 

 

世間一般で言われているリストカットの心理は、
こちらのケースになるのですが、松本先生の調査によると、
この理由でリストカットしている子は全体の2割だそうです。

 

 

このケースのリストカットは、
人に見えるようなところで行います。
酷い子だと自分の血液を瓶に入れて、
親に見せたりします。

 

 

なおリストカットというと、
腕を切ることだけをイメージしてしまいがちですが、
実は壁を殴ったり、頭を壁にぶつけるなどの、
自傷行為も上記の2つの心理から起きています。

 

 

どちらかというと男の子は、
暴力的に自分を傷つけますが、
女の子はリストカットで自分を傷つけてしまう
ことが多いです。

 

 

どんな子供が自傷行為をしやすいのか?2つの特徴

親子関係が悪い

では、

どんな子どもが、
自傷行為をするのでしょうか。

 

 

主に次の2つの特徴がある子は、
辛いことがあるとリストカットや
アームカットをすることがあります。

 

特徴①親子関係が悪い

まずは親子関係が悪い場合です。
さきほどお伝えしたように、
子どもは「親に自分の辛さをわかってほしい」
という理由で自傷行為を行います。

 

 

つまり、親子関係が良好で、
子どもが「お母さんならわかってくれる」
と思っていたら自傷行為をする必要がない
からです。

 

 

日ごろから何でも相談しあえる、
良好な親子関係を作ることが大切になります。

 

特徴②悩みを話せる人がいない

リストカットをする一番の理由は、
「不安な感情を和らげる」ためです。

 

 

人間は誰でも、悩みや不安を抱えています。
日ごろから誰かに相談することができれば、
こういった気持ちを和らげることができる
でしょう。

 

 

言い換えるなら、
なんでも打ち明けられる友人や親、先生などが
周りにいない子供はリストカットしやすい
ということです。

 

リストカットが悪化すると自殺に発展するのか?

自傷行為イラスト

リストカットなどの自傷行為が悪化すると、
自殺に発展するのではないかと、
思われる方も多いと思います。

 

 

実は自傷行為と自殺は、
目的が異なります。

 

 

ポイント①に書いたように、
リストカットというのは、
死のうと思って行っているものではありません。

 

 

生きている感覚を得たり、他人に見てほしい
という気持ちから行っています。

 

 

一方自殺というのは、
文字通りもう全てを捨てて楽になりたい
という想いから行うものです。
だから行う心理としては異なります。

 

 

とはいえ、中学生や高校生というのは、
どこまで自傷したら命を落とすのかというのが
理解できていません。

 

 

自分の中では死ぬつもりがなくても、
結果としてリストカットが原因で
命を落としてしまうケースもあるので、
この辺りは注意してみてあげる必要があります。

 

 

また最初は生きるために行っていたリストカットが、
徐々に他人から優しくされたいという感情に変わってきます。
最初は周りも心配してくれるのですが、
徐々に慣れてくると「またかよ」という反応に変わってきます。

 

 

すると生きるために行っていたリストカットが、
「誰も私のことを見てくれない」という絶望感を感じる
ものに変わってしまうことがあります。その結果、
死を意識し始めてしまう子もいるので注意が必要です。

 

 

親がすべき対応方法3ステップ

親子

では親として、
子供の自傷行為を見つけた時には
どのような対応をすべきでしょうか?

 

 

細かい状況によって、
対応方法が変わってくるので、
本音を言うと個別で相談してほしいのですが、
基本的な解決ステップのみ紹介します。

 

 

あくまでも参考程度に、
していただけるとよいかと思います。

 

①頭ごなしに叱らない

リストカットには依存性があります。
最初は遊び半分でやっていた子も、
習慣化してくると辛くなるたびにリストカットを
繰り返してしまうようになります。

 

 

もちろん命に危険があるレベルの時は、
守ってあげる必要はありますが、
あくまでも習慣的なリストカットについては、
頭ごなしに叱るのはやめてください。

 

 

また子どもが親から認められないと感じたり、
不安な気持ちなどが家庭で解消されていないのは、
過干渉の子育ての代償であることも多いです。

 

 

そこで日ごろ私がお伝えしているような、
100%過保護の子育てをしてあげてください。
頭ごなしに叱るのではなく少しずつ愛情バロメータを
上げていくように意識してください。

②辛い気持ちを共感し話してくれたことを褒める

もう一つ大事なことは、辛い気持ちを共感することです。
自傷行為をしてしまう理由の6割は不快感情を和らげるためです。
つまり不快感情が軽減されればリストカットする頻度も減ります。
そこでその気持ちに共感してあげましょう。

 

 

また素直に話してくれたことを褒めてあげてください。
一人ですべて抱え込んでしまうと、
最終的には自殺以外に解決策がないと感じます。

 

 

しかしお子さんは解決しようと前向きに考えて、
あなたに相談してきたわけです。
その部分についてはほめてあげたほうが良いです。

③心配していることを伝える

最後に自傷行為を続けた結果と、
心配していると言うことを伝えましょう。
リストカットをすると最初のうちは、
不快感情が軽減されると思います。

 

 

しかし麻薬と同じで、
少しずつ効果がなくなってきます。
その結果生きている感情が得られなくなり、
自殺などにつながる危険があるのです。

 

 

そうなると親として心配だということを、
お子さんに伝えてあげてください。

 

 

親としてまずやるべきことはこの3つになります。
なおお子さんは日々のストレスや不安感などから
リストカットをしていしまうわけです。

 

 

その辛い気持ちをきちんと理解して、
共感してあげるという子とも大事なステップになります。
まずはこの3つを意識してみてください。

 

 

最後に一つ大事なお話をします。
このステップを踏んでいくと、
あなた自身も辛くなると言うことです。

 

 

そこでポイント④では、
あなた自身にしていただきたい心のケアを
お伝えします。

 

 

精神科医やカウンセラーに相談しよう

精神科医

子供がリストカットをして、

子供の傷ついた姿を見ると、
あなた自身も辛くなってしまうと思います。

 

 

仮に夫婦関係が良ければ、
お互いに支えあうことができますが、
私の経験上そこまで夫婦関係が良好な方
というのはかなり少ないです。

 

 

そこでもしあなたのお子さんが、
リストカットをしている状態なら、
早い段階で必ず第3者の力を借りてください。

 

 

  • 冒頭で紹介した松本先生のような専門家
  • 不登校引きこもり解決のプロである伊藤先生
  • 学校に来ているカウンセラーや養護教諭
  • 相談に乗ってくれそうなママ友パパ友

 

 

こういった方に話を聞いてもらうだけでも、
あなたの気持ちがかなり楽になります。
リストカットや鬱系の子供がいる場合は、
絶対に1人で抱えてはダメです。

 

 

登校拒否の子どもへの対応

精神科医

リストカットをしている子どもは、
登校拒否になっていたり、
登校拒否になってしまう可能性が、
とても高いです。

 

 

きちんと対応ができていないと、
うつ病になってしまったり、
自傷行為が悪化していき、
自殺につながるかもしれません。

 

 

そうならないように、
登校拒否の子どもへの対応
ついて解説しました。

 

 

学校に対する不安やストレスを
減らすことでリストカットなどの
自傷行為がなくなることもあるので、
ぜひ参考にしてみてください。

 

 

 

 

お子さんがリストカットや、
暴力を伴う激しい反抗をしている場合など、
親だけで解決が難しいことがあります。

 

 

そう言ったときには、
全寮制フリースクールがおすすめです。
費用は掛かりますが、
問題の解決につながります。

 

 

ただ、お金儲けのために、
運営しているところも少なくありません。

 

 

そこで次のページでは、
全寮制フリースクールについて
解説しました。

 

 

全寮制フリースクールの費用の相場から、
道山がおすすめする施設まで、
まとめたのでお子さんの問題行動で、
悩んでいる方は良かったら参考にしてみてください。

 

 

 

リストカットの本質的な問題を解決する接し方

思春期の子育てメール講座

子供がリストカットする心理と

基本的な対応方法について
理解していただけましたでしょうか?

 

 

最低限の知識は得られたと思うので、
まずはできるところから実践してください。
ただここで問題なのは、
なぜそういった心理になってしまうのかということです。

 

 

厳しい話にはなりますが、
実はお父さんお母さんが「過干渉の子育て」を
した代償として子どもが愛情不足になり、
リストカットに発展するケースが多いです。

 

 

もちろん親がすべて悪いわけではありません。

 

 

学校や友達などの環境も影響するからです。
しかし親の接し方を変えるだけで、
解決するケースもたくさんあります。

 

 

では私たち大人は、
どういった姿勢で子どもに接していけば
良いのでしょうか?

 

 

実は意識すべきことが7つあります。
このポイントについて私は現在、
思春期の子育てメール講座という形で、
無料でお伝えしています。

 

 

もしよかったらこちらも参考にしていただけると
嬉しく思います。

 

 

【動画で解説】リストカットする子の心理の詳細編

 

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この記事を書いた人

道山ケイ 道山ケイのfacebook 道山ケイのline 道山ケイのtwitter 道山ケイのyoutube Amazonの著者ページ
思春期の子育てアドバイザー

親を変えることで、子どもの成績を上げるプロとして活躍。年間3000組の親子をサポートし、約7割の親子関係が良好に変化。
  • 反抗期が激しく親と食事すらとらない子が、5教科合計481点獲得
  • 勉強嫌いでスマホ依存の子が、次のテストで5教科合計113点UP
  • 不登校だった子が学校に行けるようになり、5教科合計462点獲得
など道山流で子どもに接すると成績が上がると話題になっている。元中学校教師で、学級崩壊の地獄と学年最下位クラスを9ヶ月でTOPに変えた天国を経験。この体験から思春期子育て法を確立。

子どもが自ら勉強するようになる方法を解説する「7日間で成績UP無料講座」には、これまで5万人以上の方が参加し、次のテストで5教科合計100点以上UPした子が続出している。

著書:高校受験 志望校に97%合格する親の習慣(青春出版社)、中学生の勉強大全(主婦の友社)、ウチの子思春期(すばる舎)など。

メディア掲載:読売新聞、東洋経済オンライン、女性セブン、進研ゼミ中学講座、名古屋テレビアップ!、日経xwomanなど。